クリエイティブセミナー2014 「中小企業をデザインする。」
クリエイティブセミナー2014
10月30日、「中小企業をデザインする。」というテーマで草津のカフェ・フィーオーレで講演させていただきました。
日本は、技術ばかりが先行し、デザインは二の次となる場合が多いです。
中小企業においてはそれはさらに顕著です。
補助金を使って、新製品を開発し展示会に持っていくと、
「デザインが良かったら扱いたいのに。。。」
と首都圏バイヤーに言われることが少なくないそうです。
技術的に出来れば良いのでなく、それをいかに消費者の心に響くものとして伝えていくか。この視点が抜けています。
多くの日本の経営者はデザインを重要なポイントとは考えていません。
ヨーロッパでは、経営者とデザインディレクターはツートップで、どちらも対等な関係にあります。
日本では、経営者の下にデザイナーがおかれ、中小企業ではデザイナーがいないところがほとんどです。
良い物を作ったら売れるはず。デザインは関係ない。そう考えています。本当でしょうか?
講演会では、全く同じ商品が、ラベル1つでいかに変わるかをビフォーアフターでお見せしました。
例えば、こちらはコースターのパッケージです。
中身は、天然ゴムとみかんの皮などの廃材を練り合わせた新素材。エコでもあり面白いものです。
中身は同じであり、包材フィルムも同じです。
紙の印刷が違うだけ。紙質は逆に落ちています。
左だったら100円でも躊躇するけど、右なら300円くらいに見える。そんな声もありました。
実際は二枚で209円(税別)で販売されています。お安く感じませんか。
ラベル一枚でターゲットも売り場も変わって来ます。
左だったら、道の駅で埋もれるかもしれません。
右だったら、東京のインテリアショップでもおかしくない。そう思いませんか?
左はおばちゃん向けのターゲットのブランディング?本当にそうでしょうか?
ゴチャゴチャ分かりにくいだけで、誰にもターゲッティングできていないようにも思います。
日本では、今、高校で美術科目がなかったという高校生も増えました。
美大・芸大は職につけないという噂、就職率の低さ。敬遠してか学生は女子ばかりになりました。
本当でしょうか?
デザインはどんな企業に入っても最前線で活躍できるものだと思います。
何より、これだけ様々な業種の方がデザインに困っています。
いかに、業務を円滑に進めるか、お客さんが間違わないようにするか。いかに的確に伝えるか。
いかにコストを下げ、パフォーマンスをあげるか。いかに、商品を魅力的に正しく見せるか。
全部、クリエイティブであり、デザインの力が関わるものです。
デザインはデコレーションと誤解されていますが、違います。
経営向上という目的のため、機能的な形態やプロセスを与えることがデザインです。
何より、人の気持ちや行動がわからないと良いデザインはできません。
デザインの力をもっと多くの分野に活用して欲しいと思います。
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