Pizza Shigarakiのパッケージデザインの話

信楽の陶芸の森にあるUPカフェの経営者で、有限会社バランス代表の能登さんとの出会いは、2012年7月28日でした。

その日は、秋田道夫先生との大阪のシゴトバベースで対談があった日。

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懇親会で終電に乗り遅れそうになっていると、能登さんも滋賀だから車で送ってくれると言うのです。

滋賀とは言っても私の家は彦根で、能登さんは信楽です。

信楽は大阪に一番近いくらいの場所。彦根は湖北に位置します。信楽から彦根までは車で90分かかります。

でも、本当に送ってくれそうなので、お言葉に甘えることにしたのです。

高速道路を飛ばし、南彦根駅に着いた時には、終電で乗るはずだった電車と同着でした。

私を送り届けたあと、同乗していた友人を嵐山まで送り届けるとさっそうと帰られました。

深夜1時の話です。

なんだか信じられないバイタリティで、しっかりした実業家だなぁと感心しました。

その後も、秋田先生が滋賀県立大学に来られる度に、能登さんともお会いするようになりました。

能登さんは、デザインや企画の仕事や、カフェの経営や、ピザの制作など色々な仕事をされているわけですが、

そうこうしているうちに、2014年のしが新事業応援ファンド助成金で「近江米の米粉のピザ」を開発することになり、

私がパッケージデザインを担当させていただくことになったのです。

つながりのあった丸宮穀粉さんをご紹介し、優れた品質の米粉入手の目処はついたのですが、

米粉を使ったピザ作りは難航し、なかなか美味しいものにならなったそうです。

私も何もせずに時間が過ぎて、あと3ヶ月ほどしか時間がなくなり、なんとかしなくてはと重い腰をあげてとりかかることにしたのです。

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当初のデザイン案は、楕円のピザであることをパッケージでも強調したいと考え、

パッケージを開けたらUPカフェの前の芝生風景が広がるようなデザインを想定していました。

しかし、紙の取りがかなり贅沢である上に、クラフト系のボール紙に両面フルカラー印刷という贅沢なデザインでした。

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その後、楕円に切り抜いた紙を捨てずに二次利用する案など、いくつかパターンを考えました。

そのうち、内側を外側に折り返すと印刷面が反転され、片面印刷で済むということを思いつきました。

そのパターンで考えるうち、内側が緑のボール紙「モスボール」が良いのでは?という情報を能登さんから得ました。(小仙さんの情報?)

内側には緑の印刷で考えていましたが、紙の緑を使うことで、より高級感が増しそうに思いましたし、印刷コストも下がります。

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早速この紙サンプルを取り寄せてみると、是非これを使いたい。強くそう思いました。

ですが、非常に高価な紙であるという情報もあり、ダンボールで進めることも平行しながら考えておりました。

コストを抑えつつも高級感のある、銀色一色印刷を目指し、

コストを抑えたいし、高級感は必要という相反することを実現しようと考えていました。

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ですが、結果的に、この紙が意外と高くない見積が出て来て、光が見え始めました。

実は、ピザも試行錯誤を繰り返すも、米粉配合での完成の目処が立っておらず、小麦粉ピザでも使えるパッケージを水面下では目指していました。

しかし、ある時、米粉配合ピザがたまたま美味しく出来上がってしまったらしいのです。

私も送って頂いて食べてみると、今までの従来品であるローマピザより美味い!ではないですか。

パッケージも縦に置いた方が売り場が少なくて済むので二種類を置けることや、

縦に使えば開口部を米の形に出来ること、米の凹みを引っかかりに使えること等、

米粉ピザ実現に向けて、一気に色々なことが解決に向かい1つにまとまって、

全てがこのためにあったかのようにデザインが決まりました。

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そこからは、紙の厚みを何キロ、マチを何ミリにするとかスリーブなのか箱なのか。

これもまた覚えられないくらいのモデルを作り、決めました。

構想から、入稿まで長かったようであっという間で、どたばたでしたが、ようやく印刷立会いを迎えました。

モスボールに銀色印刷が乗ったのを見るのも初めてでした。

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内側に銀一色のベタ印刷をしたので、色落ちしやすいという理由で、銀の上にニスを引くことにしました。

しかし、印刷現場で見てみると、思った以上に紙の色が薄く、ニスが濃く出て、米の縁取りに違和感を感じました。

版をやり直すと時間がかかり納品が間に合いません。

印刷会社の担当者も私も冷や汗です。

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そこで、全体にニスを引くことをその場で試したら、緑の紙も引き締まり、これが良かったのです。

全ベタに決めました。上の写真右側が全ベタニスです。

印刷コストは若干上がりましたが、納得のいく仕上がりになりました。

そうは言っても、できるだけコストを抑えて作られていますし、紙と印刷が相まって、高級感があります。

Pizza Shigaraki

そうして、ようやく完成にたどり着いた米粉のPizaa Shigaraki。

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全くもって、無駄が一切ない「理」しか見当たらないデザインになりました。

時には私より厳しいディレクター能登さんと二人三脚で作り上げました。

最初に会った時から、能登さんとは何か良い事ができそうだと思っていました。

いくつもの偶然と様々な人の協力によって完成しました。

本当に良いデザインが出来たと思いホッとしています。

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これは、深夜のスタバで最終チェックをしていた能登さんとの打合せの写真。

私があの日、秋田先生にお呼び頂いていなければ、終電に乗り遅れそうにならなかったら、

このピザは誕生していなかったかもしれません。(終)

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