コンペに勝つ(その2)

そもそも、「なぜそんなにコンペをしていたのか?」と聞かれます。

私が最初にコンペに応募したのは大学一年生の時、コイズミ国際学生照明デザインコンペでした。

なぜ出したか?動機もよく覚えていません。

でも、何か人と違う事をしたいという衝動が強くありました。

一人ママチャリで彦根から大阪まで帰ったり、琵琶湖一周したりと、今思うとエネルギーがあったのでしょう。

パソコンも持っていませんし、CGの技術も当然なければ、模型も作っておらず、茶色いペン一本で図面とちょっとした透視図のみで応募したのを覚えています。

プレゼンボードも原画を送ってしまい、コピーも取っておらず、その時の記憶で上のスケッチを書き起こしました。

応募作品は、和室に合いそうな、木製フレームと和紙の五重の塔のような照明器具で、上から見ると三角形で、

今思うとまったくコンペ的ではなく、アイデアもコンセプトもないデザインのようで、指物師の技術に頼りきるデザイン。

コンセプトとは何なのか?の考えもまるでなく、全くの造形と直感の感覚でしかない作品でしょう。

これは何なんだろう?と思ってしまいますが、今見ると、意外とあったら良い照明かもしれないと思えます。

もちろん1500作品を超えるような応募数の国際コンペで通るはずもありませんでした。

この国際コンペは今はもう、なくなってしまいましたが、1988年から2012年まで25回続いた、伝統と名誉ある国際コンペで受賞作品はいつも新鮮でした。

http://www.koizumi-lt.co.jp/compe/

コンペはそもそも、アイデアを学生やデザイナーから募集するもので、企業にとっては、即利益になるものでもありませんでしたが、

社会貢献と新しい時代を切り開くアイデア、また企業の商品にフィードバックできれば企業利益になるということで、意義がありました。

商品にするというよりも、大きな意味でのあかりの可能性、社会性を問うようなコンペだったと思います。

そういった新しいものや発想を求める気概や夢が社会全体に今よりずっとあったような気がします。

その後は、日本の元気のなさと同調するように、賞金も少なく、募集も少なくなってしまった感があります。

ほんの10年ちょっと前の話ですが、それでもかなり変ってしまった感じはあります。

今の学生を見ていると技術がないとか、パソコンが使えないとか、出来ない理由ばかり考えて行動していない気がします。

私は無知でバカだったこともありますが、手描きペン一本のみでとりあえず、コンペに応募していたわけです。

今だったら逆にその方が目立つかもしれませんね。

そんなところが私の原点かなと思います。

(続く?)

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